「息子と私の2人だけだ。でも世界中のどんな軍隊よりも強い」「…君の負けだ」 妻であり母親である最愛の人を失った遺族の手紙-海外旅行自力旅 [世界テロ(パリ多発・靖国・テロ)関連]
バタクラン劇場のそばに捧げられているハート形のキャンドル=18日、パリ(ロイター)
出典:http://www.sankei.com/
パリの同時多発テロで妻を射殺されたアントワーヌ・レリスさんがフェイスブックにアップした手紙
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パリ同時多発テロをめぐり、被害者家族や事件に遭遇した関係者の悲しみは癒えないが、約90人が死亡したバタクラン劇場で妻を失った男性のメッセージが共感を呼んでいる。妻への変わらぬ愛を打ち明けた上で、テロリストが望むであろう憎しみを抱いていないとあえて言及し、テロリストの負けであることを宣告している。当事者はテロへの怒りを抱きつつ、立ち上がろうとしている。
「金曜の夜、君はかけがえのない命を奪った。私の人生最愛の人であり、私の息子の母の命を。でも、君が僕の憎しみを受けることはない。君が誰なのか、私は知らない。知りたくもない。
私は君に「憎しみ」を贈りはしない。君はそれを望んでいるだろう。君は僕がおびえることを、街の人々を疑いの目でみることを、安全のために自由を犠牲にすることを、期待していただろう。君の負けだ。
今朝、何日も何日も待った末に、ようやく彼女に会えた。彼女は金曜の夜、別れた時のように美しかった。そして12年前、私がどうしようもないほどの恋に落ちたときと同じように美しかった。
もちろん、私は痛みに打ちのめされている。そこは君に小さな勝ちを譲ろう。でも、この痛みは少ししか続かない。私は、彼女が私たちを常に見守っていると知っている。そして、私たちは魂の楽園で再び巡り合うことが出来ると知っている。
私たちは2人だけだ。息子と、私。でも、世界中のどんな軍隊よりも強い。
なんであれ、君のために使う時間は私に残されていない。もう昼寝から起きようとしているメルビルの元に帰らなくてはならない。彼は、まだ1歳と5カ月になろうとしているばかりだ。彼はいつもと同じようにお菓子を食べる。私たちは、いつもと同じように遊ぶだろう。
この小さな男の子が一生、幸せで自由であることは、君を恐れさせるだろう。なぜなら君は、彼の憎しみも得られないであろうから」
バタクラン劇場で妻を失ったアントワーヌ・レリス(Antoine Leiris)さんのフェイスブックページ
出典:http://www.sankei.com/
フェイスブックでテロリストへの手紙という形でメッセージを発信したのはアントワーヌ・レリスさん。バタクラン劇場で妻のエレーヌさんをテロリストに射殺された。
13日に自宅からバタクラン劇場へと見送ったが、数日後、エレーヌさんは無言の帰宅となった。
エレーヌさんが死亡したバタクラン劇場で、事件発生時に公演していた米ロックバンド「イーグルス・オブ・デスメタル」も18 日、初めてバンドとしての公式のメッセージを発表。「愛は憎しみに打ち勝つ」とした上で、「テロリズムに脅かされる全ての皆様と悲嘆を共有する。ベストを 尽くし助け合うことで愛が邪悪に勝つことができる」と訴えた。
バタクラン劇場で友人を失ったウーゴ・タマスさん(30)は、産経新聞の取材に「怒って被害者が帰ってきたらいいがそうではない。われわれは耐えて、立ち上がっていかなくてはならない」と話した。
主犯格の男が死亡 仏検察発表
パリ同時多発テロで、フランス検察は19日、主犯格とされるアブデルハミド・アバウド容疑者が18日のパリ郊外サンドニでの制圧作戦で死亡したことを確認したと公表した。ロイター通信などが報じた。
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探していました、18日のテロ後の主犯格アブデルハミド・アバウド容疑者の拘束目的の銃撃戦で死亡していた事が確認されたと報道されました。
けれど、この記事のように亡くなってしまった最愛の家族、妻、子供、父、母、大切な友人……、全て失った者は帰って来ません。
なんという事でしょう。
なんという悲しみでしょう。
それでも立ち上がり生きて行くのです。
このテロリストへ手紙を書いた方のような強い意思を私達は持てるのか考えても答えが出ません……。
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