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この惨状が意味するものとは? パリ同時テロは、ISISの軍事的弱体化のしるし-海外旅行自力旅 [世界テロ(パリ多発・靖国・テロ)関連]

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出典:http://www.sankei.com/


 先週のパリ同時多発テロは、120人以上の犠牲者を出しただけではない。我々が知る「テロ」の概念が終わったことを示している。イスラム過激派がヨーロッパの一般市民を標的にしたテロはこれまでに何度もあった。しかし今回のように、連続攻撃によって無数の市民が殺害されたのは初めてだ。








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銃撃があったパリのレストランで、おびえた表情の人たち=13日(ロイター=共同)
出典:http://www.sankei.com/

 2002年にモスクワの劇場でチェチェンの武装勢力が観客を人質に取った事件は、こうした無差別テロの最初の事件として分類できる。ただこの事件では、死亡した人質のほとんどの死因はロシア政府軍の特殊部隊が使用した「無力化ガス」によるものだった。

 多くの専門家や政府関係者は、今回のテロを、過激派組織ISISが支配地域を越えて世界中でテロ攻撃を実行できるグローバルな組織に変貌した証しだと解釈するだろう。確かに新しいISISを、国際テロ組織アルカイダの前例に照らして見ることは可能だ。4つの核保有国を相手にただISISが中東以外の国でのテロに関与したのはこれが初めてではない。今年6月、チュニジアのリゾートビーチでISIS傘下の戦闘員が、欧米の観光客を中心に39人を銃撃して殺害した。アルカイダと対照的にISISはこれまで、中東のスンニ派国家の支配階層に標的を絞ってきた。

 ISISによる新たな「聖戦」は、アルカイダのそれよりはるかに狭い。ISISの目的は領土の獲得だ。現地に精通し、強固な決意と高い意欲を持つ戦闘員がそろった武装勢力でなければ達成できない。

 実のところ、今回の同時多発テロは、そんなISISの弱さと焦りを表している。レストランやコンサートホールを攻撃したのは、警備の堅い「ハード」な標的への攻撃能力が不足しているからだ。組織的な連続攻撃とは裏腹に、ISISは実は軍事的に追い込まれている。

 ISISに対抗する同盟勢力には、今や4つの核保有国(アメリカ、ロシア、フランス、イギリス)が加わり、トルコ、イランという中東の2つの大国も名を連ねている。 ISISはその領土を失い、そしてこれからさらに失う情勢にある。指導層が「攻撃は最大の防御」という戦略に手を伸ばしたのはそのためだ。

 ISIS指導層には高等教育を受けた欧米出身者が含まれている。市民をテロの標的にすればその効果が高いことをよくわかっている。04年にスペインのマドリッドで発生した列車爆破テロでは、世論が外交政策を動かした。犠牲は約200人にのぼり、スペイン政府はイラク派兵からの撤退を決めた。これはアルカイダにとっては予想外の勝利で、ISISのような後発の武装勢力もこれに学んだ。




 しかしISISは、フランスのような大国がスペインと同じくテロを理由に中東から手を引くと信じてはいないだろう。ISISの指導層は、フランス社会が過去の同様の状況で驚くべき回復力と団結力を見せたことをよくわかっている(90年代にアルジェリアのイスラム過激派組織がフランス国内で連続テロを実施したときもそうだった)

 もしフランスの中東政策に影響を与えるのが目的でないとすれば、おぞましいテロの背後にある戦略目標は何なのか。

 パリ攻撃は、何より自分たちの「国」に見せるためのものなのだ。アメリカ率いる有志連合との戦いに勝ち目がないことを誰より知っているISIS(つい数日前には、クルド人部隊にイラク北部の要衝シンジャールを奪われたが、奪還する力もない)は、自らの支配地域での支持を固めるためにパリを攻撃した。欧米にとってISは現実の脅威ではない IS指導者は今、軍事的ではなく政治的に思考している。他の過激派組織と同じく、ISISも民衆からの支持を維持したいと思っている。パリで同時多発テロを起こすことによって、ISは遠く離れた場所でも欧米人を「罰する」能力を誇示した。プロパガンダのため、そしてより大きな支持を集めるために。







 要するにそれは、「自国」で生き残るためのグローバル戦略だ。アイルランド共和軍(IRA)は80年代に似たような戦略をとった。イギリスからの独立を勝ち取るため、ヨーロッパ大陸でイギリス軍兵士や一般市民を殺したのだ。

 パリでいかに残虐な無差別殺人が行われようと、欧州各国はISISが現実の脅威ではないことを思い起こさなければならない。冷戦下のソ連と違い、ISISには西側の民主主義を破壊するほどの軍事力はない。それでも、寛容や平等といった西側の自由主義的価値観を揺るがして政治的な勝利を得ることはできるかもしれない。

 ISISは、欧州諸国が軍事行動を起こし、西欧とイスラムの間に新たな暴力の循環が始まることを望んでいる。9・11とアメリカの経験からフランスと欧州諸国が学ぶべきものがあるとすれば、それは均衡の大切さだ。フランス政府と欧州諸国は、テロ容疑者を法に従って裁かなくてはならない。一部の政治家から中東にもっと軍隊を送れ、という声が出るのは確実だが、そうしたところで新しいテロ攻撃は止められまい。

 軍隊や警察力による対応だけでもだめだ。ISISの新兵勧誘の土壌になっている、底辺の人々を社会に取り込む新しい政策が必要だ。それができて初めて、悪夢の聖戦士を葬り去ることができる。*筆者はロンドン大学キングズ・カレッジ防衛研究所上級講師


■ ■ ■

仏パリの同時多発テロの報道が流れた時、まっさきに考えたのが被害の状況でした。
複数の人々が多く集まる娯楽場やレストランという無差別テロ。

しかし、それの次に考えたのがISのテロの追い詰められている印象派拭えませんでした。
無差別テロを行う=主義主張が明確で無くなったことを意味しています。準備のずさんさ、つまり「追い詰められている」とも取れる行動です。

記事中にフランスを標的にする事に意味がある-という内容が有りますが、はたしてそうなのかと考えてもしまいます。
有志連合による空爆はまだ劇的な戦火は無いかも知れませんが、それでも拠点を失ったり、戦闘員を失ったり先日のジハーディ・ジョンなどの指揮官クラスを少なくても損失させ効果は出ていると思います。

まだまだ終結は遠いかも知れません。それでもイスラム国の絶対的な根絶を願って止みません。

その最後の一人になるまで全員この集団は根絶やしにして欲しいと思います。この集団はその必要が有ります。人間では有りません。



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(写真:ロイター/アフロ)









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